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1)ウラニウム原爆1945年8月6日広島に投下された型)

 
1943年4月、ロスアラモスは操業を開始した。
全米からイギリスからも研究者が集められ5つの部門①理論、②実験物理、③化学・金属学、④兵器・技術、⑤管理で構成された。
「戦争が終るまでに完成させる」ことを目標にウラニウムとプルトニウムを原材料にした原爆の製造が急ピッチで進められた。

losalamos_lab.jpg 
※1939年、ドイツ・日本での軍事応用開発研究始まる。
 1941年、米は英国の協力で数百万ドルの全面的に計画拡大。
 ロスアラモスに集まったどの科学者も、核分裂が新兵器に
 使われることは周知のことであり、ウラン235が
 核分裂してできる放射性核種の人体に対する影響への関心は
 すでに持っていた。
(1943年当時のロスアラモス研究所)



天然ウランはウラン235(0.7%)とウラン238(99.3%)で構成される。
核分裂反応を起こすのはウラン235だけである。
ウラン235を分離して取出すことを「濃縮」という。
ウラン235もウラン238も化学的性質は全く同じことから化学的に分離することはできない。
重さの違いにより物理的に分離するしかない。
「遠心分離法」、「ガス拡散法」、「電磁分離法」などにより100%近くに濃縮されたウラン235が原爆の材料になる。
しかし、100%純粋なウラン235に中性子をぶつけて核分裂反応を引き起こしても中性子漏れのため原爆にはならない。
核分裂連鎖反応が最後まで持続するのに必要な最小のウラン量を「臨界量」と言い、臨界量以上の場合は「超臨界」と言い、以下の場合「臨界未満」と言う。
原爆の場合「超臨界」を必要とする。
球形のウランの塊の周囲を中性子が漏れないような物質で覆えば臨界量は小さくできる。
ウラン235の臨界量は5~15kgとされている。

臨界未満のウランの塊を2つ用意し、2つ合わせると超臨界になるようにする。
一方の臨界未満の塊の中に中性子を放出する装置(イニシエイター)を備え、1つの塊(ターゲット)を一方の端に固定し、もう一方(砲弾)をターゲットめがけてぶつける。
2つの塊が合体すると圧縮されて超臨界になる。
合体した瞬間にイニシエイターから中性子が放出され超臨界に達したウランは核分裂連鎖反応を引き起こす。
連鎖反応によって生じたエネルギーは熱となって外に流れ出す。
1億分の1秒の間に1000万度になった爆弾は周囲の空気を一挙に膨張させ強力な爆風を生じさせる。同時におびただしい量の電磁波(熱線、可視光線など)、放射線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線)を発する。

uran1.jpg


(2)プルトニウム原爆(長崎に投下された「ファットマン」)

 
ウラニウム原爆は構造が簡単なことから小規模な実験は行われたものの実物による実験はなかった。最初に製造されたもの(「リトルボーイ」)がそのまま広島に投下された。

プルトニウム(Pu)にはPu239とPu240の同位元素がある。
そのためウラン爆弾のように未臨界のウランターゲットを一方に固定しこれに未臨界のウラン砲弾をぶつけて合体させ、超臨界に達したウランが核分裂反応を起す「ガン式」の爆弾には使用できない。
すなわち、Pu240はPu239よりも「自発核分裂」(核が中性子を吸収することなく核分裂を起す現象)を起すため、砲弾がターゲットと合体する前にPu240が自発核分裂を引き起こし超臨界に達する前に分裂連鎖反応を起し小爆発を起す。
いったん小爆発が起こると分裂連鎖反応は進行しない。

 この問題を解決するためにインプロージョン方式(「爆縮式」)が開発された。
爆縮式はガン式に比べ臨界未満の状態から超臨界の状態になる時間がおおいに短縮される。
したがって、Pu240の自発核分裂による中性子が連鎖反応を起す前にプルトニウム球が圧縮され、超臨界になった瞬間、イニシエーター(中性子源)から中性子が出て初めて連鎖反応が起こる。


ポロニウムをアルミニウム・フォイルで包みさらにその周りをベリリウム粉で囲んだものを中性子源としプルトニウム球の中心に置く⇒これをプルトニウム・コアと呼ぶ。
アルミニウム・フォイルはポロニウムから出てくるアルファ粒子を遮る。
プルトニウム・コアが爆縮によって小さくなると一気に臨界状態になる。
その直前にアルミフォイルは破れポロニウムからアルファ粒子が飛び出しベリリウムに吸収され中性子が発生し核分裂連鎖反応が始まる。
プルトニウム・コアから中性子を逃がさないためにその周りを天然ウラン(タンパー)で包む。さらにその外側に爆薬を均等に仕掛け、起爆装置により爆薬を同時に爆発させると衝撃波が発生し球の中心に向かう。
この衝撃波はアルミニウム・フォイルを破り、ウラニウム・コアを圧縮し一気に超臨界に達し核爆発が起こる。


タンパーの外側に配置された爆薬を同時に爆発させ、その衝撃波が均一にプルトニウム・コアに圧力を掛けるための技術開発に多くの時間を要した。
そのため、プルトニウム原爆の性能は実物の爆発実験によって証明されなければならなかった。
purut1.jpg
1945年7月16日、世界最初の核爆発がニューメキシコで実施された。
核時代の幕開けであった。


19450716_trinity.jpg
 ※1945年7月16日午前5:29:45(現地時間)、
 最初の原爆実験は、ニューメキシコ州アラモゴードの 
 トリニティ・サイトで 行われた。
    Before Trinity: The 100 Ton Test









参考文献;「核兵器のしくみ」山田克哉

The making of the Atomic bomb」Richard Rhodes

 

 

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» 無題
こういう兵器も、設計する労働者、製造の一部を担う労働者、運搬する労働者がたくさんいて初めてできるんですよね・・・。
基本設計の段階以外は、あまり「オレ(私)は原爆つくってる」と確信的な労働者はいないと思う。生きるために働いて、完成したものが原爆と思います。
やっぱりこんな労働を強制する社会を絶対ゆるしたらあかんと思いました。

難しい構造とかはあまりわかりませんでしたが・・・
ユメウツツ 2008/02/03(Sun)11:29:16 編集
» ユメウツツさんへ。
事務局長です。

資本主義社会で労働者は商品を生産すればするほど、
その生産物によって疎外されます。

核兵器は直接労働者を殺戮するものですから、その典型でしょう。

一刻も早く資本主義体制を打倒して、核と戦争のない社会を労働者階級の築きましょう!
2008/02/03 14:55
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